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2004年01月10日(土) ■ |
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眠りの壷 |
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そして、 それはまるで細密に描かれた壷絵のごとく じっと眺めていると、見えるものは全て曲線ばかりであるような気がしてきた。 ゴッホの描く空みたいに
蝕まれているというか、 全身がすべて温かで致命的なものに浸されていくような感触。
いつの間にか薄いリボンに僕の体は巻きつかれている。 最後の祈祷の言葉まで覚えていられぬ。どかすことの出来ないもの。 スッと力が抜けていくあの刹那。 眠りは赦しなのかもしれない。 でも赦しているのはきっと自分自身じゃないだろう。
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