2002年04月28日(日)
【+その三+】
お茶を自販機で買って、何気なく佐々木君に渡す。 ほんの微かに。 指が触れ、瞬間。 彼の瞳が揺れた。 「むぅ・・・やっぱダメだな。」 「は?」 佐々木君の言ってる事が理解出来なかった。 始めてあってから1週間たった木曜日、休憩室での話。 結構アタシにしては珍しく他人に興味を持った事もあって、 この1週間佐々木君とは好んで話をした。 第一印象の通りに、つかめない不思議な子だった。 仕事の事は勿論だけれど、好きな音楽の話では目をキラキラさせながら話し テレビのワイドショーで政治家の汚職が取り沙汰されているのを見ては、 急に政治を冷静に語りだした。 彼は面白いぐらいに多面性を持ち、尚且つ話題も豊富だった。 だから、てっきり彼の何か面白い話だと思い込んだ。 「え、何の話?」 きょとんとしながら彼の方に向いた。 手には自分用に、「わーいお茶」を持っている。 「その強い防御みたいなのどうやるんですか?」 アタシは、「わーいお茶」を落とした。 「やだ、何言ってんの?」 苦笑いしながら、何気なく「わーいお茶を」拾う。 後ろにあったパイプいすに腰をおろした。 アタシは少しだけ、手に汗をかく。 彼は言葉を続けた。 「それ僕にも教えて下さい。1週間トライしたけど、一度も覗けなった。」 そうハッキリとした声音で話すと、一瞬だけ間をおいて。 「渡辺さん。僕は、貴女と同じ力を持ってるんですよ。」 ニッコリと彼は微笑んだ。 アタシはまだ解らなかった。 と言うよりも、脳味噌が考える事を放棄していた。 「解りにくいですか・・・?」 困ったな。と言うように、彼は苦笑している。 「あの、僕も実際始めてなんですよ。自分以外でこの力持ってる人に 会ったの・・・。バイト入ってスゴク驚いたんです。」 「・・・はぁ・・・。」 我ながら間抜けな返事をした。 「だから、どう話せばいいのか・・・何から話せばいいのか・・・。」 少し彼は思案した後、アタシの方に歩を進めた。 そしてアタシの座るパイプイスの目の前に来ると、 自分のおでこをアタシのおでこにコツンとあてた。 おかあさんが、子供熱を測る時にやるみたいに。 アタシはもう何が何だか解らなくて、目を瞑ったまま手を膝の上で 握り締める。 「外しちゃって下さい。僕が覗けるように。」 「え・・・。」 「いいから。」 断れない口調でいわれて、流されるままに、心の「防御」をといた。 アタシは「壁」って言ってるんだけど、その「壁」は誰かを読み取った時に 自分が呑み込まれない様にする為のモノだった。 余りに読み取ったモノが強いと、その壁も無意味だったけれど・・・。 「あ・・・。」 瞬間、おでこが熱くなった。 共鳴でもしてるかのように、お互いの想いや記憶が行き来した。 けれど、不思議に呑み込まれる恐怖とかは無くて。 むしろ安心感みたいなのをアタシは感じていた。 それはきっと彼も一緒だったと想う。 それすらもアタシタチは感じあったから・・・。
何秒?何分? そうしていたのか解らなかった。 気付いたのは、別のバイトの人が休憩室に入ってきた時。 「おわッ!!何やってんの!うそ!そう言う仲なの!?」 その声にびっくりしながら、離れた。 微かに顔が赤いと想う。 「うわー俺邪魔しちゃったねー。」 慌てて違います!違います!と一応否定した。 ちらっと彼を見ると、優しく微笑んでいた。 (解ってくれた?) 彼の目がそう言っている。 アタシも負けずに微笑んだ。
お互いのコレまでの人生を称えあって・・・。 そして、コレからのアタシ達の関係を予感しながら。
+++++ えー、これでこの話は終わりです(中途半端? でもでもこんな感じで終わってみました、半場無理やり? そんな事無い?・・・勢いで此処まで書きました(笑 てか、長いなぁ・・・今日・・・ 読んでくれた方どうもアリガトウ御座いました!
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