ヨシナシゴト

2001年09月22日(土) 「ゲームが楽しい」という事

 いやはや皆さんお久しぶりでございます怠慢管理人でございます。どのくらい怠慢かと言いますとこのエンピツ(この日記スペースの名前)のエディット画面に入ろうと思ったらクッキーが消えていたくらいお久しぶりでございます怠慢管理人でございます。平謝り。

 さてさて、あいも変わらずバーチャファイターな日々でしてやっぱり常にお金が無い様な感じの日々でして程よく駄目人間なわけですが、いくら対戦しても私の地元のプレイヤーと対戦するとフラストレーションが残るのです。20連勝しようが8連敗しようが不満が残るのです。なぜかというと、「楽しくない」からなのです。同じような内容の日記を何度か書きましたが、私の地元には強い人は居ても上手い人がいらっしゃらないので、私の求める楽しさとゲーム内容がかけ離れてしまっているのです。確か私の戦績は現時点で460勝211敗程度だったのでまあ670戦くらいはしているのですがそれだけ対戦していながら心底面白かった対戦は10回に満たないのです。
 前にも書きましたが、バーチャファイターにおいて「楽しく遊ぶ」にはかなりの知識と操作・判断能力が必要となります。しかし、「勝つ」には知識は必要ですが操作や判断能力はさほど必要となりません。特に私の地元の様な地方の低レベルな場所ではその色合いが濃くなります。そして、「勝つ」戦法しか使わない強キャラに、弱キャラと名高いパイで挑むには、二つの方法しかないのです。一つは、同じ様な「勝つ」戦法を使う事。もう一つは、限りなく上手く、千人に一人程度(誇張でなく)のレベルまで上手くなる事なのです。
 もちろん後者はどれだけやり込もうと才能が必要なので私の様な人間がなれるはずも無く、私は前者の様な「勝つ」プレイをせざるを得なくなるわけなのですが、勝ってもつまらないだけならまだしも、同じプレイをしていてもキャラの差というものが立ちはだかるのでキャラ差を埋めるために最低限私が相手よりも上手くなければならないという状況が生じるのです。その証拠に、パイでどうしても勝てない様な「強い」相手に対して使った事の無い強キャラのジェフリー等を使ってみたら(技4つしか知りません)あっさり勝てたというような事が実話としてあるわけなのです。

 とまあ、ここまでは今までの日記で書いてきた事とほぼ一緒なのですが、「楽しさ」とは何かと考えてみると、どう、どのような状況、精神状態においても、「連勝する事」よりも「隙を見つけ、更には“作り出す”為の駆け引きや、瞬時の判断・操作をキャラを通してぶつけ合う」方が「楽しい」筈なのです。これは価値観の相違等を通り越して、人の根源としてこうなるはずなのです。そうでなければ私が非常に変人という結論に落ち着くわけですがそちらの方が合ってそうで怖いですがまあそれは置いておくとして、この「楽しさ」は本物のスポーツと同レベルのものなのでとても楽しいのですが、それだけにとても「高度」なのです。とこんな事を言うと自分が何か悟っているとでも言いたいかの様な持ち上げている文章になってしまいあまりいい気分ではないのですが、これは事実だと思います。で、高度なだけに追い求めるのにはそれなりの能力が求められます。要するに、「楽しもうとする努力」が少なからず必要なのです。そしてそれは対戦相手にも求められる資質であり、対戦相手がそれを感じ取ってくれないと、成り立たない儚い「楽しさ」なのです。それらはとても得がたいものなので、それらを経験したことが無くそれが当然と思う、もしくは追い求める事を放棄すると、「強いプレイ」に偏っていくのだろうと思うのです。
 これは何もゲームだけに止まらず、「必ず勝たなければならない」状況になると、しばしばスポーツでもこの様な「強いプレイ」に偏る事があります。例えば少し前ののイタリアサッカーリーグ、セリエAなどがその顕著な例です。有効な作戦であるゾーンプレスを両チームが行い、最終ラインを上げることにより結果として真ん中でのちまちましたボールの取り合いとなり、見ているものもプレイしているものも面白さを感じられない試合となっていく。これは「優勝する」という目的の元、勝つ為の試合なのであたりまえだと言う見方もできます。しかし、バーチャの様なゲームではもちろん絶対に勝たなければならないなんて事はありません。大会等ならばそれもわからないでもありませんが、バーチャでご飯を食べているわけでもないですし(むしろご飯を食いつぶしてくれます)、そもそもゲームという物は楽しむものなのです。それを、連勝=楽しいといった風潮に流され、かつ面白さの追求を放棄した結果が今のバーチャファイターの……延いてはアーケードゲームの状況なのではないでしょうか。
 ただ、別の角度から対戦ゲームをみていますと、どうにも「自己実現欲求」の為にゲームをプレイしていらっしゃる方がいる様に思えます。これは私の理解を超えます。遊び事…それもゲームなどと言う「消費するだけして何も生み出さない低俗な物」において自己実現を為し、悦に浸るという行為は危険なだけでなく、堕落、もしくは落伍に繋がると思うのです。まあ、この辺りを突き詰めると人間とは何かという哲学の方向に行ってしまうのでこれ以上ここでは触れませんが。

 その点で、高度な楽しさの上に成り立っていたパワースマッシュというゲームはとても凄いゲームなのだと思います。これはプレイ中にできる基本プレイが少なく、また超高度な技術によってのみ可能な隠し技、それに加えて一歩左に行って右に打つと言ったゲームシステムと関係無い「レバーを左に動かしていると見せかける」フェイント等の「人間の能力」による行動の存在により、それらの追求=上手い=強いとなり得たからこそあれほどの面白さが得られたのだと思います。
 ただ、残念ながらその様なゲームですから、攻略本を見たりしても「ある程度」以上上手く(強く)なれない構造になっておりまして世の中の「俗に言う上手いゲーマー」さん達には受け入れられず今ひとつマイナーなまま終わってしまった模様です。
 ですが、来月辺りに第二段が稼動するという事なので私は非常に期待しております。


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