月の川をくぐり抜け、光る石が踏まれて転がる。
長い長い帰り道は、僕と誰を繋いで来た。
辿り着けない距離は、幼い僕をおいて。
蟋蟀の擦り切れる夜は、さやかな寝息を立てた夜風が。
薄い布を切り裂くような、酷く恐ろしい夢を見る。
変わり果てた、この身体の音は。
きっと貴方にも聴こえないでしょう。
拙い声は目蓋を切り裂いた。
遠く続いた空は、今も枯れ葉の匂いをさせて。
いつまでも繋いだてのひらへ、残すのは抜け殻の夢。
完璧な迄に全てを擦り抜けた僕の繋いだ想い。
貴方を裏切り続けた罪も唯一、赦してくれるのは。
決して先には進む事の出来ない僕が繰り返すこの季節に。
埋もれた脚があの庭から引きずり出してくれる貴方だけ。
死んでしまった。
もう。
赦してはくれないの。
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