⊂睡眠拒絶⊃
2002年07月29日(月)

眠れなかった。
恐かったから。
死ぬ事が恐かったから。
眠らなかった。

目を閉じると、息が止まって仕舞う気がする。
真っ暗になった瞬間が、最後の思い出のような気がする。
臆病なひとだ、あたし。
朝、テレビ観て。
うたうたいのひと達の、逞しい声を聴いた。
羨ましくて少し、元気になれた。
うたいたい。

一晩中、窓を開けてベランダに居た。
涼しい風がまるで秋みたいで、秋になったらどうなるのかと不安になった。
夏が終わって秋になる時、どれだけの思い出が押し寄せるだろう。
体中が痣になりそうな摩擦で。
息も出来ずにもがきそう。
夏は始まったばかり。
思い出は大切だけど、どうも上手く思い出にし切れなくて。
釣り針に掛かったように、脳味噌が引き千切れる。

今日帰ったら、友達に会える。
毎日、夕立ちが来る場所。
頭がおかしくなるほど静かで。
鼓膜の裏に、蝉が卵を産む。
誰も居ない毎日。



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由弥 [御手紙]