三文役者
やす



 タイヨウのうた

闘病という題材を扱った邦画というと、
どうしても暗くて湿っぽいものを連想してしまう。
少なくともそんな自分の拙い先入観は払拭してくれたし、
主演ふたりの瑞々しい魅力は最大限にひきだされていたと思う。
父親役を演じていた岸谷五朗さんも良かった。
人間味に溢れた潔い演技にはいつも心を奪われる。

主題歌の「Good-bye days」はとても良い曲だったけど、
劇中でYUIさん演じる薫が歌うシーンでは、
自分にはやはりアーティストというかYUIさん自身に見えてしまう。
これは役者や演出が云々という事ではなく、
曲が洗練されすぎているという理由かもしれない。
でも目先の些細なリアリティに囚われて、
もし故意に質を落とす様な行為が行われたとしたら、
きっとそれは本末転倒の愚かな選択なのだろうと思う。

題名にある通りこの曲があってこそ、
成立する作品なのだから。

http://www.taiyonouta.jp/

2006年07月14日(金)
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