「ホスピタリティ」
機械的な受け答えではなく、こころのこもったサービスを提供しよう! その代わり、いただくものはがっぽり頂こう! 向かっていくのはそういう方向な感じな、サービスの見直し、質の向上が急に五月蝿く言われだしている昨今のジャパン経済。 今、わたしが務めている会社でも今年から本格的にそれを掲げるようになりました。でも、買わないお客を買う気にさせなければならない麗しの宝石業界に居て接客の大切さをちょびっと識るわたしにとっては何を今更、という感じです。少なくとも給料が安いからといってお客様に粗悪なサービスなどしていませんでした。えらい! だってね、お客様にあたるのはおかどちがいなんてもんじゃないでしょう。 実際にわたしは眼をキラキラさせて嬉しそうに期待を語る方々を目の当たりにしてきたわけだし。限られた休みやはたまた老後のおたのしみ、決して多くない年金やお小遣いを使う。それは勿論、期待があっての事で。それをうちとこの会社のサービスを信用して選んで任せてくれるというのはどうあっても粗末に出来るわけがない。 ホスピタリティというのは簡単に言えば「提供するのは業務処理ではなく、こころ」という意味です。例えばそれはこういう事だという事です。会社から読んどけと配られた新聞の切り抜きの一場面にて。 自殺しようとして街を彷徨っていた時に一軒のファミレスに入りました。 そこで受けた店員さんのあたたかい笑顔に感動し、わたしは自殺をやめました。 ありがとさんです。このご恩、一生忘れるものか。 なっ!なななんと大袈裟な! と呆れ笑いしてしまったのですが、基本はこれなんだなと再確認は出来ました。 誰もが寄りかかれるような確かなものを求めている。 でも人は個体であるから、別の個体が恒久的に完全に救う事など出来ない。けれどそのきっかけを作る事は出来る。たった一言、たったひとつの笑顔、それでその瞬間は救われる。その人にとってのそれからの糧となりうる。難しい事のようで簡単な事なんだと思います。 |