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鉢植えをひとつ育てている。水をやったり薬をまいたり肥料をやったりしているだけだけれど、成長していくのを見れば嬉しいし、調子が悪そうだと悲しい。世話をしていると、なんとなく気持ちが落ち着く。 ときどき枯れかけている葉や、散りかけの花柄を取り除いたりする。へろっと触れるだけでおちるものもあれば、まだ大丈夫、とばかりに抵抗のあるものもある。わたしは見ただけでわかるほど植物と接していないので、声がきこえたらなぁ、とぼんやり思うことがある。 実際問題声が聞けるとしたら、意外とあーだこーだうるさいのかもしれないが、そうではなく。水の過不足とか、涼しい場所、日当たりの角度など、本人の一番適切な値を知りたいのだ。それぞれの葉や茎の状態が、こまかくきき取れるような人ならいいのにな、という感じで。 人の心や体の動きもよくわからないのに、わかりたい、と思うのは順番が違うのだろうか。でも、人はある程度話してくれるし、雰囲気も読める。それとも植物も、たくさん時間をついやして、よく接していれば、少しずつ彼らの思うところが、わかるようになるのだろうか。
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