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原作とドラマ・映画・小説
先刻までドラマの「アンティーク」を見ていた。わたしは原作「西洋骨董洋菓子店」という漫画を先に読んでしまったので、ふーんこのエピソードはこう使ったのかー、とか、そういう設定をすると原作のイメージが壊れないだろうか、とか、余計なことを考えながら眺めている。実を言うとこのよしながふみ、というかたの絵はそんなに好みではなかったのだが、ドラマになったんだなーと思って読んだのだ。これがけっこう面白く(わたしはドラマよりこちらのほうが好き。ドラマも頑張って作られていると思うが)、今まで食わず嫌いで読んでなかったけど、読めてよかったなーと思っている。ただ、ドラマを見てこれから原作を読むひとや、以前原作を読んでいてドラマを見た人はどう思っているのかな、と思ったりする。
そういえば最近映画で「陰陽師」も見た。これは昔漫画を読んでいたのだが、もう絵柄は覚えていない。ただ、キャラクターの雰囲気は覚えていて、そのイメージと、役者さんたちのイメージがとても合っていて、また雰囲気も出ていて、「おおー」という感じがした。小説を今読んだら、彼らの映像が浮かんでしまう、かもしれない。
小説を読んでいて、漫画の絵柄が浮かんでしまうものには、「源氏物語」がある。わたしは最初に読んだのが谷崎源氏、次に読んだのが与謝野源氏、その次あたりに「あさきゆめみし」を読んだのだが、一番印象が強かったのが「あさきゆめみし」というのは少し悲しい気がしないでもない。そういえば弟は「あさきゆめみし」を読んだあと、模試のとき古文で源氏物語が出題されると、「ラッキー♪」と言っていたことを思い出す。彼はほぼコマどおり場面が浮かぶのだと言っていた。
イメージを描く能力は人それぞれだろうけれど、画像や実像によってイメージが広がったり限定されたりする、その楽しさと微妙さ。絵の影響や映像の影響をまるで受けない人、というのもこの世にはいるのかもしれない。それは楽しいのだろうか、そうでないのだろうか、等つらつらと夜中に考えていた。
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