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氷砂糖

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母と化粧
2001年11月26日(月)

わたしは普段、あまり化粧をしない。買い物に行くときも、仕事に行くときも大抵すっぴんだ。この年で素顔でいるのは、ちょっとまずいのかな、と思うときもあるが、30分化粧をするなら、その時間をべつのことにまわしたくなるのだ。化粧をするのは、夫とどこかにお出かけのときであるとか、誰かの結婚式であるとか、友人と飲み会であるとか、そういったときだ。たまーに気まぐれに、何もないのだが時間があったので化粧をして出かける、ということもあるが。

基本的に化粧の回数が少ないので、化粧品の減りも遅く、ファンデーションなどは、一体いつまでもつのだろう、と首を傾げていたりする。化粧水や乳液や美容液などは毎日使うので、それなりに買い足しもするが、他のものはかなり昔からのを使っている。大丈夫だろうか。たまにお金があるときに買い換えたりもするが、何か非常に贅沢なことをしている気がしてしまう。

そういえば、母はマメに化粧をしていたなーと思い出す。ちょっとそこまで、という買い物でも、きちんとメイクをしていた。すっぴんで買い物をしていたら、店員に「あのう、顔色が悪いようですが、大丈夫ですか?」と言われたこともあるらしい。貧血気味のひとで、そのわりにレバーや魚の血合は嫌いで、増血剤を飲むと吐き気がするといい、吐き気止めを飲み、胃薬を飲みながら薬を飲むなんていやだわ、と薬もやめてしまったひとだった。

なんとなく、母親、というより、「昔わたしを生んで育ててくれた女の人」という感じの、いつまでも若い雰囲気の女性だった。そんなことを、ふと、化粧品ボックスを開いたとき、ぼんやり思い出した。



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