stray notes

氷砂糖

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外見で選ぶなと言っても
2001年12月27日(木)

銀行で、自分の番号が呼ばれるのを待っていた。本を持ってくるのを忘れたので、ぼんやり窓口を眺めていた。窓口の左から、すこしきれいめのお姉さん、えらく地味でもっさりしたお姉さん、もとは美人なのだろうけれど、風邪をひいてるらしく盛大にげほごほ咳をしているお姉さん、という感じの女性達がいた。

誰のところかなーと待っていたら、一番左の、綺麗な女性のところだった。「いらっしゃいませ」とにっこり笑って、彼女はトレイのようなものを示した。わー、き・れーい。内心でわたしは感激しながら、伝票を渡した。目鼻立ちも勿論整っているのだけれど、なんというか、雰囲気? 彼女の周りの空気? が、とってもさわやかで気持ちのいい感じ。メイクも明るいけど、派手じゃなく節度のある華やかさ。声も、表情も瑞々しく、指先まで造作が柔かく優しい。お金を渡して、処理を待つ間、ちらっと隣を見た。

真中の窓口にいるひと、髪の毛も重たげで、化粧しているのにすっぴんみたいで、表情も生気が乏しくて、なんというか、同じ制服なのに全然雰囲気が違う。一番右の人は、相変わらず咳をしてるけど、なんていうのかな、そっと大丈夫ですか?と水をわたしたくなるような感じじゃなくて、なんか「もう。なんでこんなときにかぜなんてひいちゃうのよ。頭きちゃうわ」って、一人で怒ってるような感じ。顔立ちは悪くないけど、なんか勝気そう。

「こちらになります」綺麗な声で我に返ると、にこ..っとまた綺麗な笑顔。ここの窓口でよかったなーと単純に思う。やっぱり、応対がいいと、印象もいいし、あとあとまで気持ちがいいものね。ときどき企業とかに外見だけで判断するな、ということを言っているひとがいるけれど、多少は見た目で選んでもいいような気がする。外見、というのは、外側の形だけじゃなくて、雰囲気や、人柄もこみでだけれど。単なる事務作業でも、間にひとがいるなら、やっぱり、やな気分になるよりは、いい気分で帰りたいから。



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