stray notes

氷砂糖

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病気の記憶
2001年12月26日(水)

最近、風邪気味だ。寝てばかりいたら、小さい頃のことを思い出した。今では熱があまり出ず(というより、解熱剤がばかみたいによく効く体なので熱だけはすぐ下がる)、咳がたくさん出たり、吐き気がしてものが食べられなかったりする風邪ばかり経験しているような気がするが、小さい頃はよく高熱を出していた。

幼稚園から小学校低学年あたりで、はしかだのみずぼうそうだのは全部すませてしまったはず(ちなみに弟も一緒に病気になっていたが、彼はおたふく風邪だけはかからなかったらしい。気の毒に)。その他にもかぜやインフルエンザがはやれば、即寝込んでいた。その頃はやたら高い熱が出て、なかなか下がらず、かなり強い薬を飲んでいたらしい。が、症状として詳しいことは覚えていない。耳の下がいつも大きくはれ上がっていた記憶しかない。

覚えているのは、両親がとても優しかったことだ。昔から喧嘩ばかりしていたのだが(そしてわたしが社会人になった頃、母親は出て行ってしまったのだが)、病気のときだけはさすがに一致団結して面倒を見てくれていたのだろう。百貨店に勤めていたので、日曜や祝日も家にいない父が、無理やり休みをとってそばにいてくれたこと。夜中、いつ目がさめても、彼が起きていてくれたこと。スポーツ飲料を、遠くの店まで走って買ってきてくれたこと。母がりんごのすりおろしを作ってくれたこと。こまめに額にのっける濡れタオルを変えてくれたこと(今は冷えピタとかあるんですよね)。すいのみで水をのませてくれたこと。退屈すると、本を読んでくれたこと。音楽をかけてくれたこと。そういえば、大きくなってからは、わたしが弟に本を読んであげたこともあったっけ..。

こんなことを書くと、ずうっと病気であるひとたちからは怒られてしまうかもしれない。でも、許してください。実を言うとわたしは、風邪をひいて寝込むことがけして嫌いではないのです。それは多分、優しくされた記憶がよみがえるから。そしてそういうときでもなければ、優しくされたことを思い出せないから。

しかしわたし、中学・高校とほとんど皆勤だったし、大学も仕事も、そんなに休んだことがないような..。大きくなってからは、だいぶ丈夫になったんだなぁ。ただ、結婚してからは、むちゃくちゃ軟弱になって、年に何度も風邪をひく人になってしまいました。きっと夫に対して、甘えが出てるのだろうと思います。彼はべつに病気にならなくても、誰にでも優しい人なのですが。



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