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まっすぐなまなざし
仕事で、高校1年生くらいの男の子に、施設の利用案内をしていたとき。話の区切りで、ふと彼の顔を見た。見ようと思って見たというより、視線を感じたのだ。「何か、わからないことでもありますか?」とたずねると、「いいえ、ないです」と言われたので、説明を続けた。一通り終わって、「それでは本日から使えますので。今後もよろしくお願いします」と軽く頭を下げたら、「ありがとうございました!」と深く頭を下げられた。そしてまた目が合う。要するにこの子はあれだな、「人と話すときは目を見ましょう」というのを、きちんと実行している子なんだな。納得しつつ、わたしは持ち場に戻った。
思い返すと、高校時代、人の目をまっすぐ見ていたかどうかは自信がない。うつむいてばかりいた、というわけではないが、ぼーっとしていたので、あらぬ方向を見ていたり、見ていても焦点があってなかったのではないかという気がする。親兄弟と話すときや、親しい友人と話すときは、顔を見ていたと思うけれど、それ以外はほとんど「見ても見ていなかった」。今もそういう傾向は変わらず、ひとの顔は、親しい人意外ほとんどわからない。忘れる以前に覚えていない。多少問題はあるのだろうけれど、おそらく今後もなおらないだろう。先刻の彼は、きちんと人の顔を覚えてそうだな、と思う。しっかりと目の前にあるものを、認識しているような眼差しだったから。
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