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「これ、これ、これなのよーっっっ」
少し前の話。冬物のセール会場で。表題の科白を、30代前半くらいの女性が叫んでいました。隣には、やはり30代前半くらいの女性が、仕様がないわねぇ、という感じで苦笑いしてました。どうやら、なにかとてもほしかったもので、どこの売り場に移ったかわからなかったのが、特設会場にあるのがわかり、ほっとしたのと嬉しかったのとで、思いっきり叫んでしまったようでした。うーん凄いなぁ、と、思わずそちらを見てしまい、彼女達の話を聞いてしまった感じでは。
わたしは結局その後も、服を眺めるだけ眺め、その日は何も買わなかったのですが。ああいう、ほしいものを追求する気持ちの強い人は、明確なビジョンも、またそれを実現させるだけのエネルギーもあり、見つけるまで探すのだろうな。手に入れるまで落ち着かないかわり、手に入ると本当に嬉しいのだろうな、と、帰る道々ぼーっと考えていました。どうもわたしはそこまで気持ちやビジョンが強くないし、またそれらを持続させたり実行にうつしたりするエネルギーも弱いし、というわけで、あまりものを手に入れることに感動を覚えてないような気がするんですね。それはいいとか悪いとかでなく、単純に性格とか気質の問題なので、彼女は彼女でいいし、わたしはわたしでいいのだとは思いますが。
ただ、ああやって、「これ、これ、これなのよーっっ」と叫べるほどに強く、何かをほしいと思ったり、手に入って嬉しいと思ったりできるのは、多少羨ましい気がしないでもないな、と思いました。わたしは薄ぼんやりと、「これ、わりといいかなー」とか、「これ、けっこういいかも」程度にしか、服を選べていないので。
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