 |
|
いつか社交辞令が、こころから言えるように。
風邪が治って仕事へ行くと、「大丈夫ですか？」とか「今日はゆっくりしてね」類のことを言われた。ありがたいことだなぁ、と思うのだが、こそばゆいというかくすぐったいというか、首のあたりをかきたくなった。わたしも何気なくさりげなくそういった科白が言えればよいのだが、心配でも口にできなかったりするし、無理して言うととってつけたようになってしまうし、どうもうまくいかない。
職場でいいところを見つけてはあれこれと誉めてくれるひとがいる。わたしもお返しに（というのも変かもしれないが）何かあれば誉めたいなと思っていたが、みつけても言うタイミングが合わず、不自然な流れで言ってしまったりして、後でこっそり自分に溜息をついてしまう。
もういい大人なんだから、社交辞令くらいさらりと言いたいなぁと悲しくなる。お礼を言ったり謝ったり、誉めたりいたわったりねぎらったり。そういうのが口先だけでもつるつるとでてきたら世渡りしやすいだろうし、さらにそれらをこころからいえるようになれば、自分もまわりも気分がよいのでは、と思うのだ。
この年まで生きてみて、正直は必ずしも美徳ではないなと思うようになった（嘘をつくのがいいというわけではないが）。わたしは思っていないことをいうのが下手だし、自分の気持ちにそっていないことをいうと気持ちが悪くなる。でも、人付き合いのなかで、「この場合こう言うといい」ようなことは、心から言えるような人間になりたいと思う。
根本的にひととしていろいろ欠けているのかもしれないし、子供の頃から本ばかり読んで人付き合いをさぼりまくってきたつけもあるので、そう簡単に向上しないかも、とう気はするが。
|
|
|
