2004年09月30日(木)<<<屋久島に行きたい
気持ち悪いけれど眠れなくて、本を読む。
田口ランディさんの「ひかりのあめふるしま屋久島」
私の知り合いのみっちゃん姉さん。
彼女は鬱もちでM嬢。SM関係の知り合いのつてであった人。
なにより、私の怒った母親を言い負かした凄い人。尊敬。
何度か会って、電話もして、でも最近はめっきり話をしなくなってしまった。
そのみっちゃん姉さんが去年屋久島へ行った。一人で行った。
帰ってくるとお土産をくれた。
新宿3丁目のバーで、マスターはガンダルフなのだ、ひげが。すげぇ。
くれたのは屋久島の水だった。
お土産屋で買った保存できるお水と。
姉さんが自分で空ペットボトルにくんで、冷凍庫で凍らせたお水。
凍っている水のとけたところを飲むと、凄くおいしかった。
私の今まで飲んだ水で一番おいしいと思う。凄い、おいしい!!
超軟水なので、やわらかくておいしい。外国のじゃないから馴染みある味。
こんな水がいたるところに流れていて、すべて飲めるというのは凄い。
みっちゃん姉さんには「写真撮ってきて」とお願いしていた。
でも姉さんは田口さんが文、
屋久島在住の山下大明さんが写真を載せている本、
「いつか森で会う日まで」を持ってきた。
本をプレゼントされたのは初めてで、うれしかった。
写真は神秘的で美しく、文章も素敵で興味深かった。
その本には私宛の手紙が挟まっていた。
屋久島で書いた、短い、姉さんからの手紙。
書いた場所は 大川の滝 のすぐ近くで。この滝の読み方は「おおこのたき」である。
私は小学、中学時代。大子(おおこ)と呼ばれていた。
だから凄く馴染みのある名前で、びっくりした。
そして
「いつか森で会う日まで」にもこの大川の滝が出てくる。
とても大きくて綺麗な滝だそうだ。
お姉さんは手紙に
2年後…かな、二人で絶対この島に来ようね
と書かれていた。二年後は来年のことで、私が二十歳になる年。
私の意識は遠く屋久島へ飛ぶ。
屋久島の写真を見たことはありますか?
屋久杉の写真じゃないです。あの森の写真。
映画「もののけ姫」の森だと思ってください。そっくりらしいですから。
あの中を一人で歩きたい。
行くなら一人で行きたいのだ。
淋しいだろう、心細いだろう、孤独だろう。でも一人がいい。
彼氏もみっちゃん姉さんも一緒じゃなくていいから、最初は一人がいい。
行きたいのはやっぱり大川の滝。
今、大学進学をやめようと思っている。
焦りが失敗を招いたのだと思う。
私は大学に行きたいどころか、これっぽっちも行きたくない。
確かに心理学や哲学の勉強はしたい。
でも、やっぱり集団の中へ戻るのは怖い。本当に怖い。
予備校へ通い始めて、実感した。
私はもっと人間慣れしないといけない。
人の視線におびえてばかりでは、何も出来ないまま終わってしまう。
きっと今大学に受かっても、不登校で留年し、中退してしまう。
それより、バイトでも始めて、人間に慣れて。
やりたいこと…本を読み音楽を聴き、映画や芸術を鑑賞したい。
わがままでも自分の人生なのだから…と思う。
大学に行きたいと思ったら、勉強していけばいい。
尊敬する昔の彼氏や、みっちゃん姉さんも、最初は大学なんか行かなかった。
生きていくうちに必要性と自分の意思で、受験して合格していた。
そういう生き方を、私の両親は嫌うだろう。
でも私は我侭だから、やりたいことを抑えてまで他をすることができん。
屁理屈をこねれば、
今は何もかもがどんどん消費される、そんな中で自分の意思まで失いたくないのだ。
自分が消費されていくのは凄くむなしい。
私はいつの間にか自分の中に大きな虚無を抱えていた。
数年後、もしくは数ヵ月後、私は杖をつくだろう。
足と腰に痛みが走り、不自由な生活になるだろう。
その前にずっとなりたかった保母さんや介護の仕事をしたい。
ボランティアでいいの。でもアルバイトとしてくれるところがある。
近所にある施設がスタッフを募集している。
日に2300円のボランティア価格の仕事だけれど、やりたいと思う。
膝を壊して諦めていた夢をもう一度追いかけたい。
私は保母さんになりたかった。
幼稚園の頃からあこがれて、中学では夏休みに毎年保育園でボランティアして。
近所の保育園でボランティアしたとき、
高校生になったらアルバイトに来ないかと誘われて、うれしかった。
でも
高校生になる直前に膝を壊して、自由な体じゃなくなった。
しゃがめなくなったときに、保母さんの夢は終わった。
子供の目線に立てないで仕事をする気が起きなかった。
威圧的に上から見下ろすばかりの先生は大嫌いだった。
私がであって一緒にいた子供やご老人は私を受け入れて、優しかった。
最期には「ありがとう」といってくれた。私もありがたかった。
だから将来はそういう仕事に就こうとしていた後の破滅。
他になりたい職業は特にない。
あえて言うならば作家だけれど、未熟すぎて笑ってしまう。
もっと勉強して成長しないと書けないと思った。
ただただ屋久島に行って雨に打たれながら山を歩きたい。
何か変われる気がする。何か生まれる気がする。
写真を見て涙が出た。
私はこの島に行きたい…。
大自然の中で何かが私を変えてくれる?
違う。
そこへ行くという行動こそ、私の変換、大きな変わり目なんだね。 |