2004年10月04日(月)<<<退化してしまうから書くしかない
ずっと眠っていたかったけれど12時のサイレンで目が覚めてしまった。
僕の家の近所ではお昼の12時に消防のサイレンが鳴って犬が吼える。
もっと眠ろうとしたけれどおなかが空いてしまって、起きるしかないなと思うね。
殺虫剤でも飲まれないから、と思うけれど何でそう思ったんだろう。
殺虫剤を飲んだら虫のように死ねるんだろうか。
殺人剤があればいい。ついでに男用と女用に分けて欲しい。
男の人は寒かったり出血すると早く死んでしまうけれど、
女は脂肪で暖を取り、3分の2出血してやっと死ぬ。
女用のほうを強力にしておいて欲しいです。苦くないのがいいです。
子供用の咳止めシロップの甘ったるさで僕を壊してください。
起きて階下に下りても誰もいなかった。車もない。
お買い物に行ってまだ帰っていないのかな。別にいなくてもいいよ。
でも食べるものがないから、紅茶を入れてクノールのコーンスープを飲むよ。
テレビをつけてぼんやり眺めながら、椅子の上で膝を抱えるの。
雨だから光がなくて、薄暗いお昼のリビング。
静かに聞こえる雨音と、亀が水槽を這う音。金魚の水槽のポンプの音。
静かだね静かだね。
予備校に行く気はなくなって、昨日の母親のいやみが耳の中で反芻される。
静かだね静かだよ。
だんだんと足先が冷えてきた頃に祖父母が買い物から帰ってきたよ。
祖母はご飯を作る。鍋焼カレーうどん。
熱くておいしいけれど、足先は冷たいままで。
僕は食べ終わって吐き気がしても我慢していたよ。吐きたくないよ。
でもナメクジが喉元を歩くみたい。気持ち悪い。
それで結局胃の中は空っぽになっちゃうんだ。
紅茶もクノールもうどんも、みんな便器の中。流されていく。
しばらくするとお腹がすく。
布団にもぐってじっとしていても、空腹は去ってくれないから。
冷たいままの足を地面に下ろして、冷蔵庫へ行くけれど、何もない。
おやつになったらお菓子を食べられるから。3時まで我慢するよ。
サラダとか食べたいのにな。
ビタミンを取らないと唇の端が切れたままなんだよ。
うちは裕福でもないが貧しくて困っていることもない。
だからご飯はちゃんと3食あるんだよ。
ただ祖母のご飯は質素に粗食だから、栄養は低いのかな。
そういえばぬか漬けが最近食卓にないね。
ぬか床、駄目になっちゃったのかな。おいしいのに。残念だよ。
小雨の中、宅配便が届く。
父親の注文したものだけど、代金引換なんだって。
祖母を呼んでお金を払ってもらうと、今日3個目だという。
全部PCのソフトで、競馬関係で。父はずるいと思った。
給料を家に入れない。ローンを払うといって払わない。
でも1個5千円のソフトを3つも買ったのにお金を置いていかないのね。
別に好きなことなら競馬をやめろとは言わないけれど。
なんだかずるいと思ってしまった。
僕はお腹が空いても徒歩3分のスーパーへ、パンを買いに行く金もない。
おいしい菓子パンが食べたい。
食パンは嫌い。過食嘔吐の名残だと思う。食パンは嫌いなの。
おいしい菓子パンが食べたい。
僕と家族はほとんど会話をしない。
家にいても、そこに座っていても、特に話しかけられもしない。
「勉強は?」「塾行かないの?」それが主な問いかけ。
私も誰に話しかけたりはしない。
そっと黙って座っている。
お腹が空いても、吐き気がしても、熱があっても、黙っている。
用がないと話しかけないから、ある日「昼食代欲しいんだけど」と言うと
「金のことしか頭にないのね」とか言われてしまうのだろうね。
僕が話しかけても気づいてくれないから相手にしてくれないから、そうなったのに。
家族って残酷だ、と思ってしまう。
僕の中の関係性は「I am」で始まる。
僕は僕のことを話したい。僕が何を思っているか、どんな人間か、話したい。
だから普通の日記は続かなくても、
こうやって自分を発信して呼んでもらう日記ならいくらでも書ける。
家の中で無表情にキーを連打して自分を語ろうとする。
本当は触れ合って表情を見れば、こんなに書かなくても伝わるけれど。
触れ合うことが怖いから、どうしょもない量を書く。毎日書く。
それで
なんとか話をする機能が退化しないでいられる。
でも話し言葉と書き言葉は違うから、私の会話は変かもしれない。
しゃべりなれていないからすぐ黙る。思考に没頭する。
私と話慣れない人だと会話が続かない。私が黙り、相手は去る。
書いている最中におやつになる。
祖母が何かを紅茶に入れたので、何かと問うた。返事はなかった。
レモンなのだろう。
ビタミン補給に欲しかったけれど、返事がなかったので欲しいといえない。
僕は黙る。
僕は黙る。
僕は黙る。
そこには無言で通じあうものなど皆無で、ただ不通になるだけ。
どうしようもなく不安で、ここに書き連ねる。
呪詛のように延々と出てくる僕の言葉。
誰かが読むかもしれない…たったそれだけを期待して書き続ける。
僕は願う。
誰かが僕に話しかけてくれればいい。
僕は願う。
彼氏という人がいなかったら。
僕は、とうに忘れてしまっただろう。
話し方。なにより、笑うという尊い感情。 |