2004年10月26日(火)<<<わたしのこども
私のおじは障害者だ。父親の兄弟。
今日「たったひとつのたからもの」と言うドラマをやっているので、見ている。
おじの障害はダウン症。秋雪くんと、おんなじ。
そして私は生まれたとき、心臓に障害をもっていた。
心臓の中の壁に穴があいていた。……秋雪くんとおんなじ。
ただ私は4歳のとき、奇跡的に穴が閉じた。
そうでなかったら、胸に大きな手術の痕が残っているか……死んでいたか。
喘息も持っていたので、親は気が気じゃなかっただろう。
呼吸が出来なくなると心臓が弱る。幼いから手術も出来ないと言われていた。
それが奇跡のおかげで生きている。
死を臨みながら、なんとか生きている。
もちろんおじも生きている。
彼の母親が亡くなってから、面倒を見切れなくなり、病院で生活している。
そこにはダウン症等をわずらっている重度の障害者がいて
おじは院内旅行でディズニーランドに行ったりして、かなり元気だ。
今年の秋には温泉へ行くと言っていた。もう行ったのだろうか?
いい話のドラマだが、綺麗過ぎる。
障害を持つ人が、全てあんなふうに金があるとは限らないじゃないか。
貧しい人がどうするのか、私は知らない。
制度があるのかもしれないし、そうでないのかもしれない。それすら知らない。
そういうところをつくって欲しかった。
……2時間じゃ無理なのかな。
私は子供をふたりも堕胎した。
それはどんな理由を重ねても、惨く、残酷なことだとしかいえない。
こどもの命を奪い、私は生きている。
一緒に死ぬことを望んでいるのに、実際は出来ない。
殺めてしまってから、どんなに泣いても、こどもは死んでしまったの。
わたしが、ころしてしまった小さく重い、いのち。
私は視力が悪い。相当悪いの。
そして父方の祖母も、酷い近視だった。年をとっても近視だった。
ふたりとも髪は天然パーマで……
隔世遺伝、というものなのだろう。
だとすれば私の卵子にも、染色体のおかしいのが混ざっているかもしれない。
ダウン症など、障害児のこどもを持つのは怖くない。
非常に苦労しそうだし、お金もかかるだろう。
ただ、そのこどもに申し訳ないと思うだろう。
自分の今までの所業が、そのようなことを引き起こしたのだと思うしかない。
まだ……考えたくないの。
ころしてしまった命を、うまく祈れない。
私は、祈ることがとても苦手だ。
エンディングに流れた唄を、3年前からずっと覚えている。きっと一生。
3年前の子供を身ごもったとき、CMで流れていた。
高校の帰り、自転車をこぎながら口ずさんだら泣きすぎて運転できなかった。
あなたに会えてほんとうに良かった
私のこどもたちに歌う。
私は憎くて殺したんじゃないんだと、歌いたい。
この歌は恋人にうたうよりも、自分のこどもに唄う。
安らかにあってほしいと願いながら唄う。
愛していた。ほんとうに。
だけど
今更何を言っても言い訳にしかならない。
私は自分の命を選んだ。
罪悪であって構わない。今は、もう少し、生きてみたいと思ってしまう。 |