埃まみれのノートブック
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2002年03月31日(日) ただただ涙がこぼれそうになるのです

最近、誰かに優しい言葉を掛けられたりすると、
すぐに涙がこぼれそうにになってしまう・・。

自分で思う以上に、私は弱っているのかも知れない。



小学校二年生の時、
担任の先生が転任で別の学校へ行く事になり、
それを知ったクラスの子供達はわんわん泣きじゃくった。
ただ一人、私を除いては。

私だってその先生は大好きだった。
でもどうしてだろう。
何故だか涙が一滴も出てこなかった。

悲しかったけれど、辛かったけれど、寂しかったけれど、
「涙」という手段で悲しみを表現することが出来なかった。
けれど幼いながらも自分なりに悲しみ、ぐっと唇を結んで
その悲しみを味わっていたんだ。

私だけ泣かなかったのを見たクラスメイトや
誰かのお母さんが、「〜ちゃんは強いね」と言った。

強くなんてなかったよ。
私はとっても弱虫だった。

どうしてあの時泣けなかったのかは今でも判らない。
あの時の気持ちは今でもはっきりと憶えてる。
自分だけ泣けなくて、ものすごく罪悪感を感じたんだ。

涙がなくても、皆と同じように悲しんでいたのにね。
別に罪悪感を感じることなんてなかったのにね。


いつからか人前で泣く事は無くなった。
他人に攻撃される隙を与えない為にも、
人前で泣く事を自分に禁じた。


けれど本当は泣き虫だった。
泣く時はいつも一人だった。


誰も居ない所で声を殺して泣いた。
耐え切れなかった時は、人の居ない道を歩きながら、
涙を流した。





年を取るごとに苦悩の波に飲まれて
脆弱になって、涙脆くなってきている私。


あまりに空虚すぎると涙すら出てこない状態になるけれど、
今はただただ、涙がこぼれそうになるのです。


暗い闇を見つめているからこそ、
誰かの優しさがあたたかくて切なくて
涙が滲んでしまうのです。




Ira

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