スカートがとっても短い。ほんとは嬉しいけど、ちと困る。 そもそも、男たるものなんでパンツが見えると得な気分になるのか、長年、男をやっててもわからない。
とある雨の日。地下街から地上へ出る”屋根のある階段”。 「あ〜あ、まだ降ってるのかなぁ」と、何気なく上を見上げた。 そこには、後姿の可愛い高校生が2人、超ミニのスカートを気にもせず、なにやら 夢中に話しながら、上がってゆく。!!!
うわっマズイ!と思いつつも、思わず視線を落として階段を上がる。私の後には、おばさんが二人、「まぁ!」と言ながら見上げている。さらにその後の若いサラリーマン君たちは、ニヤニヤしながら続く。 私だってもう10年若ければ見上げているさぁ。 しかーし、日頃より、世の中の風潮として、オヤジ=スケベのイメージが彼女たちの世代に浸透しているのを意識して?「よし、ここはひとつ、オヤジの紳士さ、清潔さをみせちゃる」。 ここで見上げたら、世の中のオヤジの沽券にかかわる! しかし、こういうときの階段は、長い。なんかしらないけど長い。彼女たちのおしゃべりの声が大きくなった拍子に ふと、見上げてしまった!。そして、偶然にも、彼女たちは振り返ってしまったのだ。 飛び交う視線と視線。戦慄の瞬間。きまづい雰囲気。 音を立てて崩れていくオヤジの沽券…。今の今まで見上げてなんかいなかったって! ほんとだよ信じろよぉ。 そう思った瞬間、まだ、なが〜い屋根のある階段の途中で、とっさに持っていた傘を開いてしまった。 …。飛び交う失笑。「えっ」という若者君たちの小さな声。…そして、彼女たちの笑い声…。 雨も降り込まない”屋根のある階段”で、こうもり傘を開いて、ひとり階段をのぼっていく恥ずかしいオヤジ。
世の中のオヤジたちよ!笑いものになりながらも「沽券のかけら」を拾い集めたぜ。恥ずかしいぃ。
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