umityanの日記 DiaryINDEX|past|will
小さい頃、屋根に登って流星を観察したことがあった。器用に塀を伝って屋根に登る。冬の星座は見事に美しい。空気が澄んでいる時は、特にそうである。小林一茶の俳句に「名月を取ってくれろと泣く子かな」とある。僕が俳句を読むと「星空はダイヤモンドみたい。欲しいかな」となる。これって正直だけど、不謹慎であると、怒られそうだ。兄と僕とは、ちゃんちゃんこか何かを着て、屋根瓦にすわり、獲物を待つトラのごときまなざしで、じっと星空を眺めていた。「ほら、今流れたぞ」と兄が言う。「えええっつ、そう」。見逃した僕は、何事もなかったように答える。流星は、あっという間に流れ、消える。集中していないと、見逃すことが多いのだ。僕は当時、兄ほどには天文に興味がなかった。ただ、父が、仕事で都会へ行った時、お土産に天文の本を買ってきた。てっきり兄へのお土産かなと思ったら、なんと僕へのものだった。父も父である。二冊買ってくるなら、喧嘩にもならないのに、一冊だったので、当然、兄と喧嘩になった。父に言わせれば、僕にも兄と同様に宇宙やら天文に興味を持ってもらいたいとの気持ちだったようだ。ちなみに、父が買ってきた本は、兄には程度が低すぎた。
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