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umityanの日記 DiaryINDEX|past|will
「初恋」という詩がある。先日、ラジオを聴いていたら、この詩を朗読していた。あまりにも有名な詩だ。「まだあげ初めし前髪の、林檎のもとに見えしとき、前にさしたる花櫛の、花ある君とおもひけり・・・・」。いやあ、すばらしい。ふっと、昔にかえるとき、この詩を思い出すのだ。島崎藤村の作品で「若菜集」という詩集に納まっている。最初、誰の書いた詩だったかなーーと忘れていた。「若菜集」は明治30年に発表された藤村の処女詩集である。明治浪漫主義の時代とあいまって、多くの青年男女に愛されたそうだ。文学青年を自称していた僕も、学生時代、何を血迷ったか、かぶれたか、この詩を広用紙にマジックで書きとめ、壁に貼って観賞したものだ。同級生に絵を描く奴がいて、彼が描いた漫画チックな女性の画を詩集の下に貼りつけていた。女性にふられたり、むなしくなったとき、しげしげと、この理想の女性像を眺め、「わおん、わおん」と泣きたかったのだろう。「おおおおっつ、幼いこと」と笑わないでちょうだい。それにしても、あの頃は純粋だったと思う。この純粋さはいまだに尾を引いていると思うが、自分で言うのもおかしいか?。
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