umityanの日記
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| 2002年06月03日(月) |
弟からの心あたたるお土産 |
弟からの心あたたるお土産 at 2002 06/03 10:40 編集
先日、弟(親しくしている友人で、僕の日記には、頻繁に登場する仕事仲間である)が、カンボディアに行ってきたといって、お土産を持ってきた。何でも、カンパしていたお金で、カンボディアに学校ができたので、それを見に行ったらしい。行くとは聞いていたが餞別も何もしていなかったので、恐縮したが、「たいしたものではない」というので、気持ちよくもらうことにした。なんと、土産は確かに高価なものではなかった。日本円で買えば五円か十円くらいのものだろう。 「値段ではなく、こういう気持ちがだいじなんだあああ、とほほ」と、僕は半分笑顔、半分驚きでこの品を受け取った。竹で作った珍しい楽器で、子供たちの遊び道具みたいなものという。箸を長くしたような平たい竹の中が三本位に割れていて、唇に当てて、真ん中の竹の端っこを指ではじくと振動で、「ブーーーン、ブーーーン」と音がする。向こうの子供たちは唇の操作で、これを器用に操って、音楽を奏でるそうだ。僕もやってみたが、最初はなかなか音がでなかった。「こうやるんだよ」と、弟が受け取って、ティッシュで、僕が唇をあてたところを丁寧に、丁寧に拭いて、おいしそうに、竹を唇に当てた。僕は、「そこまでしなくても」と思ったが、まああいいか。唇を丸くして、ポン、ポンと竹をはじくと、「ブーーン、ブーーン」と音が出た。「なるほど、お見事」と、僕は感心した。これで、メロディーが弾けたら最高だ。笹笛を思い出した。世の中には、笹の葉を、唇に当てて、器用に音楽を奏でる人がいる。笹のかもしだす、音はなんとなく哀愁を帯びていて、心を打つ。童謡には、笹笛が一番ぴったりのような気がする。 そうそう、昔、兄(これは実兄である)が、詠んだ俳句が脳裏に浮かんだ。兄の作かどうかは分からないが、「麦笛や、わらんべ帰る畑の道」。麦笛もあった。僕も昔、学校の帰り道、友達と麦刈りの後の、麦の茎みたいなものを、口にくわえて、「ぷーーーっつ」とふくと、これがまた、のどかな良い音色をだすんだよなああ。 最近、こういう風景も、とんと見なくなったが、弟の素朴な土産は、結構、僕の心を癒してくれた。ちなみに、カンボディアの学校はまだ、屋根が葺いてなかったそうだ。一日も早く、純真な子供たちが勉強できる環境ができて欲しいと、弟ともども願っている。できれば、死ぬまでの間に、カンボディアにも、行ってみたい気がする。
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