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2005年02月01日(火) 母のこと

明日は、いよいよ母の移動の日だ。
12月に、自宅を出ているので
ホームからホームへの移動なのだがそれでも大変だ。

いろいろな所を見て回り
母の現状を考えて、お金の都合も考えて
その他、もろもろの事情を合わせた上での選択ではあるが
それでも「本当にこれでいいのだろうか」という思いは拭えない。

何より、母を騙すようで辛い。
それを埋め合わせるべく母に尽くすことができない自分が辛い。
お金を出せば出すほど、お金で済まそうとしている気がしてしまう。

「おばあちゃんは、いいよ。自分では何も残さなかったのに
 ママがみんな面倒を見てくれるんだから。」
私の気持ちを慮ってか、いつかあやぽんがそう言ったが
私には、そこまで簡単には割り切れない。
「私の勝手で、母の残りの人生を決めた」
という気がしてならない。

下着や洋服をあらためて用意し、全てにフルネームで記名した。
母は、まだ知らないのだろう。
新しいホームに移ることも
これからは、そこが自分の家になるのだということも。
そんなことを思いながら、持ち物の用意をする。

正直に言うと、ホームに近寄りたくない。
何もなかったように、離れた所で過ごしたい。
母に会わずにいることは可能だが(実際、会わないのだが)
だからと言って、私の頭から母がいなくなることはない。

もともと上手くいってなかった親子関係が
母が痴呆になったからと言って、良好になるわけがない。
事情を知らない人は(ほとんどそうだが)
「お母様が言ってるんじゃなくて、病気が言わせているだけですよ」
と、母の言葉に凹む私を慰めようとするが
痴呆になる前から、似たようなものだった。
ただ、違うのは
周りの人が『痴呆のせい』だと思ってくれるおかげで
母のことを『ひどい母親』だと思わないでいてくれることだけだ。

痴呆の症状が進んで
私の母は、やっと世間並の母親になったのかもしれない。



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rachel |MAIL

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