DIARY独り言

 

 

日本酒文化について - 2004年01月22日(木)

最近、夕刊がオモシロイって思うことが多い。きっと前から面白かったのかもしれない。ただ、去年の年末から、家に帰ると12時を回っていることがほとんどで、当然郁さんにも「もう寝ててね。」って言っているわけで、家に帰るとポツンと一人で夕刊を読みながら、レンジで温めたおかずをつまんでビールを飲んでる。
そんな時に味気ない深夜のTVよりも、夕刊は読み応えがあり楽しいのかも知れない。結局TVはつけているだけで、ほとんど新聞を読んでいる。

で、今日の面白い記事、紹介します。毎日新聞夕刊、特集ワイド2 「心込めてお燗したお酒をついであげてください。」 随筆家 佐々木久子さんの記事です。

お酒とは日本の文化であった。お正月にはお父さんが家族みんなにお酒をつぎ、あいさつした。一年のけじめのお酒を家族に飲ませた。晴れ着を着る日は、家族のお膳にもお銚子をつけてくれ、お酒のイロハをきっちり仕込んでくれた。お酒との出会いは家庭だったと、お酒が古き日本の家庭にとってどういう位置付けにあったかを語る。

そしてその後…(ここからは引用です。)

「池波正太郎先生がおっしゃっていました。お酒と言うものは人間の考え出した素晴らしい芸術品、その本質は酔うことですよ。酒量をひけらかしたり、威張ったり、女の子に触ったり、飲めない人に無理強いしたり、そんなのは品性の下劣。お酒を飲むとは、その功徳を味わうことなのです。〜

 お燗がうれしく、おいしいのは、やさしい心遣いが見えることです。ぐらぐら湯だった鉄瓶にお銚子をつけると、みるみるお銚子の口にお酒が盛り上がってきて、お米の命がよみがえってくる。〜

お酒は知れば知るほど深いもの。〜 泣き出したいほど感動した言葉があります。

「お酒は心をつぐもの」

こよなくお酒を愛された文豪、幸田露伴先生の言葉です。どうでしょう?居酒屋のマスターでも、家庭の奥さんでも、お酒をつぐときに思い出してもらえたら。「お疲れさま」「ありがとう」と声にださずとも、心をこめ、ころあいにお燗したお酒をついであげてくだされば…。」

お酒を飲んで、豹変したり、品性が低下したり、やたらにうるさくなったりって言うのはやっぱりよろしくないようだ。中学生の頃、何かの文章で、今は亡き井上靖という作家が、とてもきれいにお酒を飲むと書いてあった。酒豪ではあるが、飲んでも変わらずに泰然としている。当時僕はお酒の飲み方も知らない中学生であったけれど、深く心に残り、大人になってお酒を飲んでも、変わらずにいたいと思ったものだ。

今日の新聞の佐々木久子さんの特集はとても、いい記事。自分の酔いをよく見て、日本の酒文化を汚さないように酔いたいと思う。




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