物語 |
宇宙科学研究所のM5ロケット5号機が、
ごう音とともに鮮やかなオレンジ色の光を発して 飛び立つ
キャンペーンに申し込んだのは
去年の春だった
プレートに名前を刻むだけの どうでも
良いレベルの話だった
けれど
片割れとの 永遠に離れる事の無い
何処か 夢見がちな お話を
watasiと 片割れが 選んだに 過ぎなかった
何時も 夢見がちな 二人に
又 永遠の夢を 齎してくれた 事だった
それは
たとえば watasiと 片割れが
この世に 居なくなったとしても
何時も 何処かで 惑星が無くなってしまうまで
静かに 息をして
遥か 地球を 見下ろしながら
ただ 宇宙を眺めながら
静かに 其処に 居続ける
片割れは たとえ
”それが 本当に 片割れだったとしても
ふと した事で ほんの少しの世紀 離れる事も
在るのかもね” と 言った通りに
今は 側に居ない
watasiが 息をしてる間は 居ないだろう
何億年たっても 帰っては来ないのかもしれない
帰らないのかもしれない
少しだけ 片割れと 思い 願い
そう 祈りつづけた 一年前の 気持ちだけは
封印されたまま
遥か彼方の 惑星で 静かに 生きを し続ける
空を見上げながら きっと
ずっと 何処かで 少し 遠いお話を
思い出すだろう・・・
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2003年05月18日(日)
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