カウントシープ
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ボクはなんでも謎を解きたがる人間だ。今は混沌とした不明瞭なものも、今のボクには解らないだけで、いつか理解できるようになると信じている節がある。 しかし一方で、この世界は何もかも明るみに出すことなどできない、だからこそ安心していられるのだという思いもある。光に満ちた場所と同じだけ闇に潜む場所があるのだし、未知なものがあるからこそ、世界はまた恐れつつも魅力的なものであるのだろう。
10代の終わりに、全てを知りたいと思った。それは適わぬことだと解ってしまってがっかりしたけれど、それでも少しずつ知りたいと思うのが今のボクだ。
「全ての謎が解けてしまったらそれはもう発狂した世界だろう」
子供の頃から、この世の謎はきっと死ぬまで解らないことが沢山だから、死ぬ時にこっそり教えてもらえたらと思っている。臨死体験みたいな場面で−この場合は本当に死んでいく片道切符だけれど−知りたかったことが見れたなら、と空想している自分がいて、自分の知りたがる気持ちに呆れつつ、
本当に知ってはならないものにそろりそろりと近づけるくらいに、ボクはもう無防備ではないところまで生きてしまって、ちゃんと安全圏から手を伸ばしているにすぎないことが、安心でもあるしちょっと寂しく思ったりする。
ロビン
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