カウントシープ
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ある人から絵本をプレゼントされた。 それは、その人が物心ついた時からずっと、幼年期片時も手を離さなかった「お気に入り」の絵本の復刻版で、もちろんボクにくれたのは新品だった。その人は、子供の頃はあんなにいつも一緒にいたのに、大人になってからその本を読んでみたら何故好きだったのか解らなかったんです、と言いながらその本を手渡してくれた。
本を読んだ感想はいずれまたにしておいて。
普段本を薦めたりプレゼントするときには、(過去の自分もだけれど)現在の自分が良いと思ったものを選ぶように思うし、今まで貰ってきたものもたいていそうだ。そうして、読み終わった後に感想を言い合ったりして、共感したりして満足感を得たりする。本にしろなんにしろ、プレゼントというのは気に入ってもらえることを期待して贈られるものだろう。
だが、今回の場合、この本を良いと思ったのは子供時代の相手で、大人になった今現在にはどうして好きだったのか解らない良さなのだ。同じ大人になったボクが読んで良いと思ったとしても、現在の相手とは共有できない思いであり、仮につまらないと思ったとしても、お互いつまらない本を2人手に取ることが目的でこの本は贈られたわけじゃないと思う。
この本を読むべきは、子供時代のボクだろう−が、その時間は巻き戻らない。
相手にさえ解らない部分、それは無意識と言い換えてもいいと思うけれど、その部分を共感して欲しいと思う気持ちがそこにはあって、それは友達の域を少し超えた範囲なのかな、と思いながら−何処かで孤独だから、人は人を求めるのだと思ったりする。
ロビン
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