カウントシープ
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ある娘が駆け落ちして、住みなれた土地を離れて都会で暮らす。2人は社会的には認められず、苦労して共に生活していくうちに健康を害し、両親が都会にやってくる。 『娘を不幸にして』そういわれては男は項垂れるしかない。2人共に居たいと思うが、病気を治すため−と娘は故郷に戻され、男は家族に恨まれて暮らす。
というような話はよく聞くパターンだが、今のボク達はこれに近い。(周囲には認められるはずもないと脅えてカミングアウトしていないけれど)同性愛ですなんておいそれと言えない。そこそこきちんと生活していけるだけのお金を稼げる仕事にはつけたけれど、結婚という形をとれないから、相手の家族は自分の子供がボクの家に居候して、形見の狭い思いをしながら不安定に生活している、と思っている。
相方の家族も親戚も友達もみんな沖縄にいて、沖縄に帰ってきて治したらいいのに、という。ボクと相方が一緒にいたいと思う気持ちなんて、みんな気がついてくれない。『早く帰っておいで』という心優しいメッセージが届くたびに、ボクは辛い。
お話の続きは大抵、その後娘は死んでしまい、男は墓参りすることも許されない−と続くが、ボク達はそうはならない。相方はまた健康になって、すっかり元気になって、犬達を引き連れてみんなで沖縄に凱旋するんだから。
ロビン
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