カウントシープ
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2005年05月11日(水) ある日の夢の解釈

先生に(※ヴァイオリンの先生ではない)夢の話をした。そして色々ヒントを得たのでここに書いておこうと思う。

ボク達が住んでいる世界が夢の世界なのは、ボク達にはまだ現実感がないからだ。同性愛者として隠れ住んでいることは、やはり大きな要因だと思う。相方と出会って数年のうち、ボクはボクが同性愛者だと思い込もうとしているんじゃないか、捻じ曲がった心の所為できちんと異性まで辿り着けないんじゃないかと考えたりして、何時までこうやって一緒にいられるか不安になったりしていた。

現実と夢の世界を行き来する船・・・やはり世界を超えるには無意識の流れ=水を超えなくてはいけない。ヘンゼルとグレーテルも、森に入っていって迷子になるが、帰って来るときには白鳥に乗って川を渡る。森に入るときには小鳥に惑わされ(目印のパンを食べられた)、帰るときもまた鳥によって導かれる。そのとき川が境目となるのは、よくあるモチーフだろう。

船が戦闘機のように武装していたのは、ボク達にとって世界は、特に現実の世界はまだ恐ろしく、武装していないといられないような世界だから。しかしもう使い物にならないくらい古い装備なのは、ボクの武器は随分昔に作られた、子供時代のむき出しの武器の名残だから。

現実から戻ってくるときには困難さを伴うのは、現実の世界に近づけばボク達は取り込まれてしまう危険を孕んでいるから。現実の世界にいるものは、すなわち母親であり、母親に取り込まれてしまうことを恐れている。それは、ボクが母親を渇望していて、取り込まれたい願望を抑えているからなのだ。

うつ病になった母親…ボクは子供の頃から情緒不安定気味な母親が理解できず、いつか頭がおかしくなるんじゃないかと心配している。その心配は今でも続いていて、ボクは母親を追い詰めないようにと、心の中で思っていることの殆どを言わずに、とりあえずの平和を演じていて、それでも今は心地よいと思っている。

現実の世界と夢の世界が保たれなくなってきたのは、この見せ掛けの世界が不安定で、これからまだ変化する必要をボクが感じているからだろうか。世界を安定させるのに音が必要だというのは、今ボク達がヴァイオリンを通して音を意識しているからだろうか。

ヴァイオリンは母親からプレゼントしてもらった。癌が治るためには免疫を高めることがきっと効果的だろう、相方にとって生きがいのようなものが増えればそれだけ生きる力も増すだろうというのが、両親の考えらしい。子供の頃あんなに何を考えているか解らなかった母親が、今はこうやってボク達を気にかけてくれる。空っぽだった心が、小さなピースを拾い集めて少しずつ埋まってきたと感じていて、今ボクは以前よりずっと母親に好意を抱いている。ヴァイオリンはその架け橋なのかもしれない。A線の音はラの音だし、E線はミの音だし、D線はレの音だ。夢の中の必要な音はまさに「ラ・レ・ミ」なのだから、音はおそらくヴァイオリンの音色を示している。そう考えて見つめていたら、ヴァイオリンが船のように見えてきた。


ロビン