カウントシープ
index|past|will
いつもレッスンをするテーブルの上に、スナフキンのフィギィアがおいてある。小さなリュックを背負ってどこかに歩いていく、旅立ちのスナフキンだ。
ヴァイオリンの先生は、小さなそれにすぐ気がついて、スナフキンはカッコいいねと言ったけれど、ボクもそうおもう。もう何年も前にはスナフキンのように生きられたらと本気で思っていたけれど、今のボクにはもう無理だ。
沢山の繋がりをもってしまったから―それは喜ばしいことであるけれど、同時にもう勝手に居なくなれないことを意味している。人と人の繫がりを意識していなかった頃は、人は孤独なものなのだと思い込んでいた。孤独であることが基本で、誰かと心を供にし続けることが何か恐ろしいことのように思えた。 その頃には宙ぶらりんでいてもまだ平気に思えたのに、今はちっとも平気じゃない。スナフキンは、ひとところに留まらず何処かに1人で旅に出てしまうけれど、ちゃんと心の繫がりを持ったまま、旅するのだろう。寂しくなっても、ちゃんと心が繋がっていることをイメージできるくらい大切な思い出さえあれば、きっと何処に行っても生きていける。
そう思うのだけれど、やっぱり、触れられる繋がりが欲しい。会えなくなってそれでも思い続けることを想像したら、それこそは本当に苦しいことじゃないのかしら?
ロビン
|