カウントシープ
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ボクはわりとパンが好きで、別に数日米を食べなくても平気なほうだ。(もともと一食分を食べるのは夜だけなので、一日一食と考えて欲しいのだが・・・朝はパンを齧り、昼は適当に売店で200円程度のものですませている) でも、パンは作ることができないから(少なくとも今現在の我が家では)、どこかのお店で買ってこなくてはならない。ボクの好きなパンはどちらかというとライ麦パンやフランスパンのようなハードなものなのだけれど、これを作るのはちょっと難しそうな気がする。
近所にパンやお菓子の粉を扱うマニアックな食材屋があるけれど、そこにはちゃんと粉は売っている。それも、ちゃんと『ライ麦パン』の素や、『フランスパン』の素もある。どこがどう違うのかパン粉の成分など知らないけれど、これさえあれば簡単に焼けるかというと、そう単純ではないのだろう・・・きっと。 ボクは、料理の本を見てもあんまり思考が働かないっていうか、興味がないからか、全然頭に入らない。写真を眺めているだけなら、料理の本も面白いんだけれど。
タイトルの『ポケットにライ麦を』はマザーグースより。アガサ・クリスティもこのタイトルで小説を出している。こちらもなかなかおススメ。また、ライ麦といえばサリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』、こちらは攻殻機動隊1Stのシナリオベースにもなっている作品。子供の頃、麦畑って見たことないけれどイメージは浮かぶような、不思議な存在だった。
高校生のとき、図書館でマザーグースの本を借りた。同じ本を何度も借りるので、図書のお姉さんが「また?」と笑った。ボクは本を開いて、この歌がいいんだよ、と『ポケットにライ麦を』を歌って聞かせた。お姉さんは黙って笑っていて、それからボクは高校を卒業して、2,3年した頃に、お姉さんは病気で死んだ。もう何年も前からずっと病気で、結婚もせずにいたらしい。ボクは、歌を聞かせて以来ずっと会っていなかったから、最後に見た静かな笑顔の次は、死化粧をした白い顔になって、いつまでもその白さだけが頭にこびりついている。
ロビン
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