カウントシープ
indexpastwill


2006年01月24日(火) カニバリズム

ヒトはヒトを食べてはいけないのか?

という問いには誰も答えられないだろう。
ヒトと知らずに食べてしまえば罪にならないのか、其処に餓死するしかない運命が提示されている場合なら、共食いも正当化されるのだろうか?

倫理的な問題はともかくとして、ここで話題として取り上げたいのは狂牛病のことである。
ご存知狂牛病はプリオンとよばれる蛋白の一種が原因とされている。蛋白で構成されるこの物質は本来無生物だが、これが体内に入り込み、脊髄に蓄積されると、正常な蛋白が異常な蛋白に作り変えられてしまう。そうして中枢神経系は犯され、脳がスポンジ状に変化して死に至るのだ。

肉骨粉とは、牛や豚をばらしたあとに残る骨や脳や脊髄などを砕いて細かくしたもので、飼料やペットフードとして与えていた。牛の餌に、牛の一部を砕いたものを食べさせたという点で、知らずのうちに牛は共食いをさせられた。
結果発生したのが異常プリオンであり、狂牛病騒動が広がったわけだが、ここで問題となるのは、なぜ、牛に牛を食べさせたときこのプリオンが発生したのか、ということだ。

興味深い報告として、ヒトがヒトを食べる風習を持つ土地(ニューギニアのクールーと呼ばれる人々)に、この狂牛病にきわめてよく似た症状を呈する病気が存在したという。もしそれが本当なら、異常プリオンは同種を食らうときに発生することになる。

同種を食べてはならぬと、まるで神が知らしめるかのような流れだが、このような行為は昆虫類ではもっと頻繁に起こっている。とりあえず医学的な観点からは、ヒトはヒトを食べてはならないといえるだろう。



ロビン