
道標|≪過去を見つめて|あさっての方向へ≫
たまりにたまった部屋のゴミをかたすべく、 朝から掃除機と共に四苦八苦。 一日かけてキレイになった部屋でのんびりくつろいで 雑誌を読んだりベッドでごろごろしたりした。
折角キレイになった部屋なのに 階下で焼いてた秋刀魚の煙がダイレクトに 部屋に流れ込んでいて臭い。うおお、ママン!換気扇回せ!!
本屋で調べものをしていたら、ヘンリー・ダーガーの画集を見つけた。 あまり日本では高名な作家ではないが、あのアナ・スイも 熱狂的なファンだというマニアック作家の一人。ヤダー。 一度見たら嫌でも脳裏に焼きついてしまう作品だ。
ちんこのついた美少女軍団が、オトナ帝国の不条理な暴力に晒されつつも やたらとでかい植物に囲まれた非現実の世界で健気な 殺し合いをするという、『非現実の王国で』。 グロテスクな場面も多く、前のページでアハハウフフと 浮かれている子供が、次のページでグチャグチャに八つ裂きに されているのも当たり前の世界だ。 万人不向けというか、拒否反応を示す人もいると思うし、 実際私は気持ち悪くて購入する気にはならない。 (意外にグロいの苦手なの☆)
だが特筆すべきは、この作者のダーガーが19の歳から約60年間 毎日毎日この作品を、自分のためだけにウハウハと描き続けて 誰に発表することもなく、ひっそりと死んでいったことだ。 かのみうらじゅんが日々収集しているエロスクラップの匂いがする。 敵も味方もグダグダに死んでいるのだが、ダーガー爺さんは 敵側味方側で何人死んだかとか、きちんと把握していたらしい。 その思い入れと、どんだけこの世界にどっぷり浸かっていたか感が わかるちょっとイヤンなエピソードだ。
ダーガーによるダーガーのためだけのトンデモ世界が 後世の人々に高く評価されている、この事実。 美少女大好き爺さんの妄想世界。いやー、本人さぞかし 草葉の陰で嫌がってるんだろうなー。 しかも映画まで作成中だってよ。どこまでもかわいそうな爺さん。
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