
道標|≪過去を見つめて|あさっての方向へ≫
今でこそあまり機会がないからなのだが、 大学の頃は一ヶ月に一本は36枚撮りのフィルムを 現像に出していた。 その結果。 昨日の掃除で出てきた山のような当時の写真。 そこには、昔の彼と写っている写真や かぎりなくデブだった頃の私の写真が写っている。
捨ててしまいたい、むしろ自分の恥ずかしい写真など 燃やしてしまいたい衝動にかられるのだが、 小心者の私はそれができないでいる。 たまにアルバムを開いてはぎゃあとかうげえとか 悶絶しながら、それでも目がそらせない。
私はこの頃の自分が好きだった。 今より化粧がへたくそでも、股ズレができるほど太っていても、 美容室選びを失敗しておばはんパーマであっても、 ピッチピチの服で更にデブ感割り増しドンであっても、 楽しかったあの頃の私を否定はしたくない。 あの頃好きで好きでたまらなかった恋人の写真を 残しているのも未練からくるものではなく、 生活の一部だった彼を切り離して学生時代を思い出すことが できなくなっているからだ。
昔の彼との思い出とか、みんなは捨てたりするんだろうか。
今の彼が知ったら、きっと嫌な気分になるだろう。 私がその立場だったら間違いなく怒るし、ブチ切れる。 いつかは処分しなきゃいけないんだろうか。 それはそれでなんか悲しい。
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