道標≪過去を見つめてあさっての方向へ≫


2005年11月29日(火) トラウマ笛吹き男

子供の頃に繰り返し読んだ本は、鮮明に脳裏に焼きついて
簡単に払拭できない記憶になっている。

さて、我が家の兄弟三人のまぶたに今直強烈に
残っているのがこのハーメルンの笛吹き男だ。
言うまでも無く有名なこのドイツ民話。子供達が町から消える、
このミステリー感!大量のねずみ!我ら三兄弟は毎度毎度
わくわくしながらページを繰ったのだが、何と言ってもこの絵本の
目玉、重要人物ハーメルンがものすごくキショイ風貌なのだ。



私のつたない技術をもって、これが精一杯の再現絵。

あずき色のチューリップハット、ボーダーの怪しいカットソーに
うさんくささMAXの吊半ズボンといういでだちに、
大きく腫れ垂れた鼻、うつろなくせに意志を持ったような
不気味な光りをたたえた瞳…!!ぶ厚い(しかも紫色)唇…!!
後日、数々のハーメルン民話に描かれた、芸人風のチャらい
ハーメルン像を見ても、私の気持ちは高揚しなかった。
こいつだ。ハーメルンはこいつでないと!!

だが、この気持ちを理解してくれる人はいなかった。
「ハーメルンて、あのピエロみたいな」
「キラキラした衣装を着た」
「ハンサムな」

ハーメルンの話をするたび聴くイメージ。
ち…違うんだー!!と心の中で絶叫する。
この絵本を見た人でないと、あのキモさは共有できない。
苦悶していた(するなよ)大学の頃、仲良くなり始めた
友人に、何の気なしに「昔読んだハーメルンの絵本の絵が
ものすごくキショくて」という話をすると、
失業中のノッポさんみたいなやつ?」

( ゚д゚)

「こ…心の友よー!!」
激しく抱きあう二人。
今でも彼女は私の一番の親友です。ハーメルンの深める友情。
いやな友情だ。

姉とハーメルンの話になり、思い出したので書いた。
同士求む。


金田こけもも |MAILHomePage