古畑亜紀の日記
日々の雑記帳です。思い付いた時に
気分にまかせて書きます。

2001年11月25日(日) じゃあ職場はないんだね!

昨日きいた話しですが、先日わたしの所属している
「古楽バンド」の新メンバー、ピアノのO君は、
メンバーの中で唯一「けっこうまとも」ナ人っぽい
のですが、スピード違反でつかまったらしい。
しかもたかが60キロのを70キロではしっていた
とかで...。
それだけでも十分気の毒ですが、おまわりさんと
このようなやり取りがあったそうです。

「職業は?」
「ミュージシャンです。」
「音楽家ね。じゃあ職場はないんだね!」

といわれたらしい。普段、「普通の良識あふれるO君」
のイメージ溢れる彼のはずですが、その話しをしながら
「音楽やってたらくえてないと思ってンのか!!
 なめてんのか!!楽器でめしくってんだよ!!
 音楽やってたら仕事してないでくえてないっての
 は偏見だとおもいませんか??」
とかいって机をはたいたりして興奮ぎみだった。
私達は、そのくやしさに共鳴するというより、紳士な
O君の熱い一面に何かほほえましいものを感じ、
「あはは...!!」とわらってましたが...、

「おまわりさんてのは、公務員であり、
 私達だってギャラから税金をはらっていて、そのお金で
 お給料もらってるくせに、礼のひとつもない」
とか、やぶれかぶれな批判がはじまったし...(笑)。
しかし、公僕の身にあるかたがたも、ややもすれば
ヒト的に失礼な、ヒト的に前時代的な、「職業にたいする
偏見」をあたりまえのようにもち、それを何の危惧もなく
発言し、おそらくひとかけらも反省もしない。
なんてこともあるんですよねきっと。
自分は頭がいい、正しいとおもっていて、いろんな
ことを勉強しないまま年老いていくのですね。
でも、「立派」なお仕事に見えるような仕事をしてる
ヒトすべて、ヒト的にすばらしいとはかぎらないん
ですね。
もちろんすばらしいヒトもいるけども...。

おまわりさんにかぎらないけど、楽器をやってると
「食べれないんでしょ。」ときめてかかられることが
非常に多くて、信じられないほど失礼なことを平気で
いわれることやっぱりあります。そういうこと言ってる
時のそういうヒトの顔がこちらからみるとさもしくみえる
んだけどな。

まあ実際育ちというか、豊かなヒトいうのはそういう
失礼はしないものだと思いますが。
めんどくさいんで、「不景気ですからねえ。」
とか「ええ大変ですよもう」などと、どうでもいいやつ
には言ってしまうこともありますが。
どうなんでしょうね。
たとえば、ミュージシャンであるわたしが貧乏で
こまってるとしたら、それがそうだとしたら
そのヒトは、それを確認して、なにか楽しいんでしょうね。
貧乏ぶって、機嫌とってほしいんだったら「機嫌とり
料」のギャラくださいっとかいいたいよ。

いや、いいたくない...です...(爆笑)。

似た話しでは、
「一日精々もらえて....円でしょ。毎日はたらいたって
月でいくらじゃん。知れてるよね。」
とかいってきた奴は、もちろん嫌われもんタイプだけど
わたしもあんまり会話したいとおもわないな。それっきり。

なんで、みんな月でいくらとか、平気できいてくるんだろう。
いくらだったら想像どうりで気がすむんでしょう。
そして、ちゃんと応えたにしたって、
その返事をろくにききもせず、
「そうなんでしょう。大変ねえ。」と、
「かわいそう」じたてに話しはすりかえられてしまうのだ。
そこには、どうどうとたれながしになっている
「ミュージシャン」という職業への軽蔑がふくまれている。
人に、人をばかにする権利はないと思う。わたしは絶対
人をばかにしたくない。たとえそれが、そのおまわりさん
であってもね。

ま、まるで怒ってるみたいな日記だけど私は、今日
この話しをきいておもしろかったし、そういう
時代おくれなおまわりさんよりは勉強していようと
思うし、毎日音楽にむかって、ききにきてくれる人に
すこしでも充実してるなにかをおわたしできたら
それでよくて...。
こういうことにはハラをたてると損なので、
やはり自分が豊かでいられるように、しっかり
やろうと思います。
O君の、怒ってるのが、おもしろかったっていう話しです。




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