読書日記

2001年09月19日(水) 「代官狩り」から「破牢狩り」へ。佐伯泰英は時代小説の神様だ。

「代官狩り」から「破牢狩り」へ。佐伯泰英は時代小説の神様だ。
 佐伯泰英「代官狩り(夏目影二郎危難旅)」(日文文庫2000.9)読み終わる。野暮用を忘れて読みふけった。暗殺集団「七坊主」や私利私欲にはしる代官たちとの数々の激闘の果てに大きな陰謀をたたきつぶす主人公夏目影二郎の物語は格好よく面白い。
 長編時代小説をこんなに連続して読んだのは本当に久しぶりで20年くらい前の「剣客商売」シリーズ以来ではないか。あるいは白石一郎の「SFアドヴェチャー」に連載された未完の伝奇時代小説シリーズを文庫本で読んだ時(およそ11年前)以来か。と言う先から半村良の「妖星伝」や隆慶一郎、宮本昌孝などもそうだなと思い出されるが。
 すでによく読まれている評判の時代作家なのだろうが、まったく知識がないまま、たまたま題名と設定にひかれて購入し読んでみたら抜群の手練だったので、驚きは尽きない。総兵衛シリーズ以上に面白く魅力的な主人公、立ち回り、副主人公たち、そして犬のあか。良い所ばかりの時代活劇である。

 クラーク・バクスターの「過ぎ去りし日々の光」(早川文庫、訳=冬川亘)を62ページまで読んだ。おもしろくないわけではないが、佐伯泰英と比べると展開が遅く感じられ、ややもどかしい感じがする。


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