読書日記

2001年09月18日(火) 「八州狩り」を読み終え、「代官狩り」へ。

「八州狩り」を読み終え、「代官狩り」へ。
 佐伯泰英「八州狩り(夏目影二郎赦免旅)」(日文文庫2000.4)読み終わる。全六話からなる連作短編形式の長編で、六人の八州廻りとからむ。同時に、国定忠治が関わる大きな陰謀の存在も徐々に明らかになり、ついには影二郎も巻き込まれる。
 チャンバラの場面がよいだけでなく、そこに至る経過も軽快で格好よく、すばらしい。小さかった犬のあかも成犬になる。影二郎の愛犬らしい存在感を増してゆくのも好ましい。
 集団の総帥たる総兵衛と違い、影二郎は一人である。そのためか颯爽としていて爽快である。二重丸である。
 勢いに乗って次作の「代官狩り(夏目影二郎危難旅)」に移った。これも勘定奉行の父に依頼された任務を遂行する物語である。ここにも国定忠治が登場して関わっていく。185ページまで一気に読み進んだ。
 立派な成犬になったあかももちろん影二郎のそばにあり、時には影二郎を守って活躍する。ますます面白くなった第2作である。
 佐伯泰英という作家は書き下ろしのみなのだろうか。どれもこれもそうである。しかも質は高い。総兵衛の物語ではやや息苦しい印象も受けたが、影二郎では余裕綽々の感がある。作者自身も楽しんでいる様子がうかがえる。(逆もあり得るが)
 


 < 過去  INDEX  未来 >


イセ [MAIL]

My追加