読書日記

2001年10月09日(火) 「神異伝5」と「柳生烈堂」を続けて読んだ。

「神異伝5」と「柳生烈堂」を続けて読んだ。
 火坂雅志「神異伝5(金人出現)」(祥伝社文庫2001.10)読了。8年ぶりの完結については感慨深い。しかし、これで良いのか。巻末で解説の細谷正充氏が大感激しているが、待ちに待った結果がこれでは、かえって出ない方が良かった。あの興奮、あの吸引力、あの波瀾万丈はどこへ行ったのか。
 面白さが中くらいではないか。汲み取るべき大きな感動がないではないか。しかも短すぎる。
 この8年間じっくりと構想を練り、密かに書きためていたというよりも、短期間勝負で書き上げた様子が見える。実際にはそうではないかもしれないが。今年最大の残念賞だった。
 同じく、火坂雅志「柳生烈堂(十兵衛を超えた非情剣)」(祥伝社文庫1995.4)も続けて読了。若き日の烈堂開眼に十兵衛の死の謎をからめた物語。ただサブタイトルの非情剣は嘘。まったく逆である。面白かったが、これも食い足りない。中くらいの感動である。「神異伝」シリーズに熱中していたころ、他の「西行」ものも読んでいたが、いつかしら遠ざかったのもこのへんに理由があるかもしれない。
 佐伯泰英に比べると深みや工夫が足りないような気がする。濡れ場も恋のようなものもあるが、軽い。軽くてギャグとしか思えない場面もある。
 実はひいきにしている作家なので、失望が大きかった。この作家は文庫本の作品よりも単行本で出す作品のほうが高い評価を得ている。そちらの方を選んで読むのが賢い選択かもしれない。
 最近、毎日日記を書くのが辛い。毎日書くことに意義があるのだが。一行の日があっても毎日書きたい。


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