読書日記

2001年11月04日(日) 糸井重里と石和鷹を読書中。

糸井重里と石和鷹を読書中。糸井さんの方は「ほぼ日刊イトイ新聞の本」(講談社)を読んでぐっと身近な存在になった。なんとなく信用のおけないタレントの一人だったのが、信頼度抜群になるほど良い本だった。久しぶりにコーチャンフォーに出かけてみたらPHP新書「インターネット的」がばっとあったので珍しくまよわず購入。内容は同じようなものでもかまわないと思った。で、半分ほど読んだ。講談社の本と比べるとぐっとくるような具体的なエピソードが少ない分、じっくり読める評論になっている。
一方、石和さんはすでに故人である。この「地獄は一定すみかぞかし」(新潮文庫)は「新潮」に連載された後単行本で世に出た時の評判は知っていたのでいつか読もうと考えていた作品だった。巻末の立松和平氏の解説を読んでから本文を読み始めたので同じ話を二度聞くような不自然さが初めあったが、直に解消し、「びっくり」しながら読んでいる最中である。途中から糸井さんの本が割り込んでその「最中」がいま嘘になっている。それにしても力のこもった作品である。
中村真一郎は今大勢に読まれている本の中でいったい何冊が後世に残るだろうか、と懐疑的だったが、この石和さんの本は残るのではないだろうか。そんな迫力が感じられる。
また、糸井さんの意見をまねして言うとベストセラーやベストセラー作家の影に力のこもった良い本は存在している。この情報化社会の中で逆に情報化されなければ知られないままであまり読まれない良い本は数多くあるはずである。
「ダ・ヴィンチ」的本の紹介もいいがそれを補助または裏「ダ・ヴィンチ」ももっと全面に出ていいはずである。
今日購入した本は以下の通り。
ポール・ギャリコ「ザ・ロンリー」(新潮文庫)
吉村達也「孤独」(新潮文庫)
スティーヴン・キング「小説作法」(アーティストハウス)


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イセ [MAIL]

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