読書日記

2001年11月14日(水) 宇江佐真理「銀の雨」が、やはり大傑作。「

宇江佐真理「銀の雨」もう少しで読み終わる。やはり大傑作。日本人必読である。「その角を曲がって」「犬嫌い」「魚捨てる女」「松風」と続き、最後の「銀の雨」に至る連作集は親と子の情愛を中心にさまざまな世代の脆さ、弱さ、強さ、優しさなどの思いを的確に描き出している。主人公の「堪忍旦那」と呼ばれる同心もよいが、何よりもその同心の娘や馴染みの男の子などの少年少女たちが魅力的である。特に主人公と行動をともにすることの多い小者の娘は場面をさらうほど生き生きとしている。こういう小説は大人向けのものということになっていても悪い意味でなくなにかしら児童文学的時代小説の香気が漂う。中学生くらいの少年少女が読んでも魅力を感じるのではないだろうか。
今、これを読み終わるところだが、今日は恩田陸の「メイズ」にもちょっと手を出した。


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