| 2001年11月24日(土) |
「日本の歴史」(岩波新書)の井上清氏の訃報記事。先程夕刊を開いて驚く。 |
「日本の歴史」(岩波新書)の井上清氏の訃報記事。先程夕刊を開いて驚く。ほんの1時間前に久しぶりの勉強のつもりで開いた岩波新書「日本の歴史」の著者である井上清氏の死亡記事があったからだ。これには驚いた。ご丁寧にも巻末の著者紹介の欄で1913年生まれなのを確認して過去の人扱いしたばかりだったから確実に驚いた。20年程前にも詩人の黒田三郎さんの随筆集を読んだ夜の次の朝にご当人の逝去のニュースを見てびっくりしたのと似ている。 とりあえずその記事によると、京都大名誉教授で専門は日本現代史で、11月23日の午後7時26分肺炎のため死去、87歳だった。高知県出身で自宅は京都市左京区若王子町12にあり、26日近親者で密葬の予定。喪主は妻の初江さん。1936年東京帝大文学部卒業。1946年の著書で天皇制批判を展開し、現代史研究の指導的立場になる。1961年京都大人文科学研究所教授になる。1969年の東大闘争をはじめとする学園紛争では新左翼系学生支援の姿勢を鮮明にし、政府と対立した。「日本の歴史」など著書多数。岩波新書には「条約改正」「日本の軍国主義」「部落問題の研究」「日本女性史」「戦後日本の歴史」が紹介されている。 「人はだれでも、歴史によってつくられ、歴史の中に生きており、そして何らかのしかたで歴史をつくっている。しかし、すべての人がこのことを自覚しているとはかぎらない。じぶんをつくり、じぶんがその中に生きている歴史を、自覚するとき、われわれは、自覚して合目的的に、歴史創造に参加することができる。」 これは「日本の歴史」のまえがきの冒頭である。今でも全く古びていないおもむきのある文章である。 今日も野暮用で本は読めなかった。 ちょっと目を通して続いていない本。 「新・SFハンドブック」(早川文庫) 立石泰則「覇者の誤算(日米コンピュータ戦争の40年)」(講談社文庫) 佐野眞一「業界紙諸君!」(ちくま文庫)
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