| 2001年11月29日(木) |
佐野眞一「渋沢家三代」(文春新書)を1時間半読み続け、やっと半分。 |
佐野眞一「渋沢家三代」(文春新書)を1時間半読み続け、やっと半分。パリから帰国した後の渋沢栄一が日本の中心人物になっていく過程とその長男である篤二が放蕩の果てに廃嫡される経緯が語られる。渋沢家を通して見た日本の近代史としても読める。面白かったのは栄一プラス三井と三菱のライバル関係や鳩山一族と穂積一族の葛藤を歴史的に紹介しているところ。経済や政治の世界が面白いのと同時に恐ろしいのはその背景にこういう幕末や明治からの血脈が元気にどろどろと現代まで途切れずに続いているからに違いない。目先の現象だけで判断してわかったつもりになるのは危険だというのは、こういうことか。半村良の伝奇小説ではないが、日本はそういう意味でいまだに亡霊に支配されている国なのか。 タッド・ウィリアムス「黄金の幻影都市1(電脳世界の罠)」(早川SF文庫)を26ページまで見てみた。快調なテンポで進むヴァーチャル・リアリティもののようだ。翻訳は野田昌宏さん。
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