読書日記

2001年12月10日(月) 辺見庸「反逆する風景」を少し齧る。

辺見庸「反逆する風景」を少し齧る。ほんのわずか24ページまで読んだ。「考えられるありとあらゆる意味という意味を無残に裏切る。」「風景は、なぜなら、往々解釈と意味を超える、腸のよじれるほどのおもしろさを秘めているからだ。」
そんな解釈することを無意味と感じさせるような、それまでの経過と全く脈絡のない風景のいくつかを筆者の体験として紹介している。
中国において機密情報者の名を明かせと筆者にしつこく迫っていた役人が突然、二歳になる息子の写真を取り出して筆者に見せるという思いがけない場面。
筆者たち二人しか存在しないような静寂に満ちた夜中だったのが、公安の役人たちがそこここから突然大勢出現して繁華街のような風景になってしまったこと。
また、自転車遅漕競争において十四、五人の競技者たちが全員同時に静止した一瞬の場面。
明解な文章で語る面白話の数々というおもむきがあってついのめり込んでしまった。


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