| 2001年12月17日(月) |
ブラックウッド「いにしえの魔術」とカード「ゼノサイド(上)」を少しずつ。 |
ブラックウッド「いにしえの魔術」とカード「ゼノサイド(上)」を少しずつ。 前者は角川ホラー文庫版「妖怪博士ジョン・サイレンス」(紀田順一郎・桂千穂=訳)の第一編目の短編。降りるべきでない駅・町に降り立った人間がそこで体験する興味深い出来事を主題にする物語の原型に近い、有名な作品である。詩人・萩原朔太郎の小説「猫町」を始めとしてこのタイプの物語は結構ある。最近フィクションらしいフィクションを読んでいないので一種の禁断症状が出て、この古い時代のフィクションを手にした。ほんのちょっと読んだだけで満足できるほど意味ありげな謎の物語でその味わいを堪能した。 後者はあのオースン・スコット・カードの旧作である。長編エンダー・シリーズの確か三作目にあたる。七年前に出ていたものを最近後続の「エンダーズ・シャドウ」「エンダーノ子どもたち」と溜まったので読み始めることにした。三十八ページまで読んだ。地味な雰囲気のSFである。最初に出てくる夫婦は片方がすぐに死亡し、次の夫婦は自分たちを犠牲にしてある惑星を救おうとしている。夫と妻の会話が主に物語は間接的に進んでいくような雰囲気がある。カードも宮部みゆきと同じく語りで読ませる。 佐伯泰英の新作が二冊になった。「妖怪狩り」「熱風」である。もう少し溜めて一気に読みたい。 ビデオで映画「五条霊戦記」を五十分間ほど見た。音は大きいが声が聞き取りにくい。
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