読書日記

2001年12月25日(火) 恩田陸「三月は深き紅の淵を」の第一章読了、中坊公平「罪なくして罰せず」(朝日文庫)を読み始めた。

恩田陸「三月は深き紅の淵を」の第一章読了、中坊公平「罪なくして罰せず」(朝日文庫)を読み始めた。
「三月は深き紅の淵を」の第一章は「待っている人々」(117ページまで)を読み終えた。履歴書の趣味欄に「読書」と記入したということだけで会社の会長の屋敷に招待された若手社員鮫島巧一を待っていたのは限定自費出版本「三月は深き紅の淵を」をめぐるミステリーだった。一冊の本についての喜劇的状況に投げ込まれた鮫島は待っている人々の期待に応えて謎を解明する。物語の体裁を借りた読書論、読者論、文化論ともいえるが作者の饒舌はなめらかである。
今日はJRに乗らねばならない羽目になったので車中読む本として丁度良い大きさと厚さのものを選んだ。中坊公平「罪なくして罰せず」にした。行き帰りで76ページまで進んだ。記者や新聞の衰弱のことなどに始まり筆者の意見が冴え渡り、またそれらがいちいち得心がゆく。予想以上の迫力ある「意見の書」である。今まで筆者についてはテレビを通しての知識やイメージしか持っていなかった。今回はこの著書によってその独自性や正義感、信念などをはっきり知ることができるにちがいない。本との「出会い」を感じた。


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