| 2001年12月28日(金) |
横山秀夫「陰の季節」を読んだ。 |
横山秀夫「陰の季節」を読んだ。短編集の表題作、70ページほどの長さで第5回松本清張賞受賞作とある。春も間近、人事異動に多くの人々が悩み苦しむ季節に警察内部でも定年退職者の天下り先の件で手間のかかる問題が起きた。三年たったら後任に空ける約束で天下った元警官が辞任を拒否してきたのだ。泡を食った幹部たちは人事担当の核とも言うべき人物に事情を探らせ説得しようとする。やがて未解決の事件との関わりが浮かび上がってる。 展開は謎が謎を呼ぶ式で興味が最後まで持続し、思いがけない結末まで一気に引っ張られた。その点では凄腕の作者である。 しかし、その過去の事件がすべて同一犯の仕業というのが説得力がないし、追う者と終われる者の出会いがあまりにも都合がよすぎて不自然である。 ひとつのほら話としては面白いが冷静に考えると納得できなかった。 今日もまたビデオで映画。 「ジュヴナイル」テトラという小型ロボットと小学生の子供たちとの交流と冒険を描いたSF映画である。地球を侵略する宇宙人。ワームホールを利用したタイムマシーン。藤子不二雄に捧げるという言葉が最後のスクロールの中にあったので二人のSF漫画を思い出した。結末はちゃんと作ってあるので日本のSF映画としては珍しく心地よく見終わることができた。
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