読書日記

2002年01月01日(火) 逢坂剛「重蔵始末」(講談社2001.6.29)を読み終える。「釣りバカ日誌12(史上最大の有給休暇)」

逢坂剛「重蔵始末」(講談社2001.6.29)を読み終える。
準・佳作。(これは勝手な言い種で、客観的な評価ではない。目印のようなものである。)
全五編の連作短編集で「赤い鞭」「北方の鬼」「七化け八右衛門」「茄子と瓜」「猫首」から成る。あの鬼平と同時代の近藤重蔵という火盗改与力が主人公である。鬼平に仕えていたわけではなく別の組に属し二十一歳の若さながら鬼平と共通する凄味と智略で事件を解決していくという物語になっている。とても二十一歳とは思えない風格が感じられるので大酒飲みで色好みらしいのに加えて学者でもあるという特色を持っていても、鬼平二世のようにこちらが読んでしまう。しかし、鬼平にはない趣向の「茄子と瓜」という博識がひとつのみそになっている話もあり、運動系や人情系だけでない文系の要素が今後もっと増えてくれば独創的な時代小説になりそうだ。
「猫首」はちょっとぞっとする話で重蔵含めて関係者がみなぶるっと震えた。
ビデオで映画を見た。今日は「釣りバカ日誌12(史上最大の有給休暇)」。
準・駄作。(割と楽しんだので、「準」)
ずっと続けて見ているのでいつもそれなりに楽しんでいるが、結末がないような終わり方であった。次の13に続くなら続くとはっきり示してほしかった。ないということは続かないのか。などと今でも考えている。人騒がせな終わり方。


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