| 2002年02月22日(金) |
マイケル・シェイボン(菊地よしみ)「ワンダー・ボーイズ」(ハヤカワ文庫)を20ページ。 |
マイケル・シェイボン(菊地よしみ)「ワンダー・ボーイズ」(ハヤカワ文庫)を20ページ。 ワンダー・ボーイズとは語り手である作家の主人公が執筆中の小説の題名であることがじきにわかる。 「私が初めて知った本物の作家は、」小説を読むのが好きならこういう書き出しには惹かれるものがある。そういえば漫画家の萩尾望都の短編にこういった風で始まるものが多かった印象がある。一人称で告白調の内容は読み手を一気に物語の核心に運ぶ効果がある。その作家はオーガストなにがしというペンネームにふさわしくホラー短編を量産し、子供を目の前で失った事が原因でサナトリウムに永久入院している妻の医療費を稼ぎ出していて、主人公が子供の頃一緒に暮らしていた祖母の家に間借りしていたのだった。 初めて知った本物の作家はごく身近な存在だった。 ある日、作家の入院中の妻が病院の窓から飛び下りて死んだ。少年と祖母が同居している作家の部屋をたずねると作家は既に銃で自殺していたのだった。 冒頭はこのような回想で始まる。 次に時間が飛んで現在作家であるとっくに成人した主人公の「今」が語られていくことになっている。 村上春樹の初期の作品の語り口を思い出していた。妙に口当たりの良くてイメージ喚起力の強い文章である。 映画化されている。(まだ観ていない)
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